コロナ禍がもたらしたエネルギー供給の課題

コロナ禍の生活スタイルの変化による様々な歪み

新型コロナウイルス感染症による生活の変化は非常に大きく、今まで当たり前のように出来ていたことがほとんど出来なくなってしまったといった事柄は多いです。
人が多く集まる場所への移動はもちろんのこと、下手な外出すら出来なくなってしまったために色んな業界に大きすぎる影響を与えています。

特に、ロックダウンまですることになってしまった海外の一部都市ではその影響が強く出ており、一件関係ないと思われるエネルギー分野においても大きな変化をもたらすことになってしまいました。

コロナ禍で変化したエネルギー需給バランス

新型コロナウイルス感染症によって何が発生したのか、多くの方が体験しているさなかなのでわかっていることだとは思いますが、まともに移動することが困難になりました。
その結果、自動車や飛行機などの移動が極端に減少してしまい、連鎖反応的に経済活動そのものも停滞してしまった地域が多発したことで原油価格が一気に低迷します。

将来への不透明性が強くなってしまったことから一気に石油やガスセクターへの投資も大幅な落ち込みが発生するのです。
新型コロナウイルス感染症がある程度収まったとしても、ここまで投資が落ち込んでしまうと需給バランスが以前のように保たれる状態に戻すことは困難であると多くの方が予想しています。

電力分野でも問題発生

電力における分野においても省エネや再生可能エネルギーといった分野における投資が鈍化しています。
これから成長する業界として注目されているため落ち込みはやや少なめではあるのですが、IEAが掲げているパリ協定の目標を達成するには落ち込んでしまった投資では不足していると考えられているのです。
投資が鈍化することでこの分野の成長も鈍化してしまう懸念があり、環境問題への目標を色々と用意されていてもクリアすることが難しい社会になる恐れがあります。

クリーンエネルギー転換がカギ

あまりにも不安定な状況がエネルギー分野でも続いてしまうため、この状況を打破すべく推奨されているのがクリーンエネルギーの分野です。
IEAは2020年に「持続可能経済復興プラン」を発表し、雇用の創出並びに経済促進による持続可能で強靱なエネルギーシステムの構築を目的としました。

エネルギーにおける新型コロナウイルス感染症による危機を脱するためのプランとして出されたこの計画は、クリーンエネルギーへの転換を促しておりそこから経済回復をにらんだものとなっています。
2020年に開催された「IEAクリーンエネルギー転換サミット」は日本も参加しており、エネルギー転換の道へと進むことを言葉にはしていますがその道は一つではないといった発言もしています。
また、再エネのポテンシャルがどうしても他国より劣る日本では、どのようにクリーンエネルギーに転換するのかが鍵となってくるのは間違いないでしょう。